工務店が新規顧客や見込み顧客を集客する方法は、チラシのポスティングやTVCMへの出稿、自社ホームページやSNSを使ったアプローチなど様々です。
今回は顧客の行動の傾向からどのように施策を打っていけばいいか、オンライン・オフライン両方で具体的に解説します。
本記事を読むことで、顧客のニーズにもとづいた、売り上げに繋がる集客方法について理解することが可能です。
工務店が売り上げにつながる集客をするためには
工務店が売り上げにつながる集客をするためには、顧客がどのような行動にもとづいて工務店を検討しているのかを把握し、それに応じた施策を打っていく必要があります。
特にコロナ禍において、住宅購入を検討している顧客には、コロナ前の情報収集時の行動から変化が見られます。
まずはこのコロナ禍における顧客の情報収集時の行動の変化について、調査データをもとに解説します。
顧客がどのように情報収集しているかを把握する
顧客が注文住宅を検索する際の情報収集手段として、Webを利用することが増えています。
出典:全研本社株式会社「コロナ禍における注文住宅の購買行動の変化にまつわる調査」より
Webでの情報収集に時間をかけるようになった背景として、以下のような人達が増えたことが考えられます。
・おうち時間が増えた
・自由に使える時間が増えた
・緊急事態宣言で外出自粛している
また、以下のデータから、顧客がWebを使用して参考にする情報として、「ポータルサイトやメディアの工務店・ハウスメーカーの会社、商材情報」が多数を占めていることが分かります。
出典:全研本社株式会社「コロナ禍における注文住宅の購買行動の変化にまつわる調査」より
顧客が工務店選びで悩むポイントを理解する
コロナ禍において、顧客はWeb上で工務店の情報収集をする時間が増えたことが分かりました。
その一方で、顧客は検索結果から実際に足を運ぶまでの工務店選びについて、多くの悩みを抱えています。
出典:全研本社株式会社「コロナ禍における注文住宅の購買行動の変化にまつわる調査」より
上記の表の通り、コロナ禍によってWebで情報収集をする時間は増加したものの、その情報の多さにより、自分に合った工務店の選び方に悩む顧客が多くなっているようです。
特に力を入れるべきWebの集客方法
「情報が多すぎて、どのように工務店を選んでいいかが分からない」といった悩みを抱える顧客に対して、Webではどのような施策が有効になるのでしょうか。
ここではこれから特に力を入れるべきWebの集客方法について、施策別に6つに分けて解説します。
自社ホームページをスマートフォン対応させる
情報を得る際に多くの人がスマートフォンを使用するため、自社公式ホームページのスマートフォン対応は必須です。スマートフォン未対応のホームページの場合、以下のようなストレスを顧客に与える可能性があります。
・表示される画像・文字が小さく見づらい
・画面の切り替えに時間がかかる
・指での操作がしづらい
その結果、顧客はホームページから離脱しやすくなり、検索結果に表示されにくくなる可能性があります。 以上から、自社ホームページのスマートフォンへの対応は必須と言えるでしょう。
また、ホームページから直接電話をかけたい顧客のことを考慮すると、ページ内に電話タップボタンを入れるのも有効です。
検索結果で自社サイトが上位表示されるようSEOを実施する
SEOとは、検索エンジンを使用したマーケティング戦略の一つで「検索エンジン最適化」のことを指します。具体的には、Googleなどの検索結果で自社サイトが上位に表示されるように、サイトを最適化することです。
SEOを実施するメリットは、指定したキーワードで検索した顧客の自然流入を増やすことができる点にあります。自然流入をする顧客は、そのキーワードを目的として検索をしてホームページに辿り着いているため、購入や問い合わせに繋がる可能性が高くなります。そのため、顧客が検索する可能性が高いキーワードを設定することが重要です。
注文住宅を検討している顧客が検索する可能性が高いキーワードには、「注文住宅+○○」といったものがあります。 具体的なキーワードの例としては、以下のようなものが挙げられます。
・注文住宅+価格
・注文住宅+相場
・注文住宅+ランキング
・注文住宅+地名
SEOは構造やコツを理解することで、長期的な集客効果が得られます。
詳しい活用方法は以下の記事をご確認ください。
▶Web集客にはSEOが重要!基礎知識からハウスメーカー・工務店の成功事例も紹介
Googleマップ上で展示場が上位表示されるようMEOを実施する
MEOとは、Googleマップに対する「マップエンジン最適化」のことを指します。
SEOは自社HPを検索結果の上位に表示するものですが、MEOではGoogleマップにおけるGoogleマイビジネスに登録した店舗などを、地図の上位に表示することができます。
店舗の登録情報には社名だけでなく、写真や営業時間などを追記することで、顧客への情報提供を充実させることが可能です。 また、投稿欄を使用して、情報発信や顧客からのコメントへの返信をすることも可能です。
MEOに関しては以下の記事でより詳しく解説しています。
▶展示場や相談会の集客に効果!MEOとは?SEOとの違いや住宅会社向けの対策方法を徹底解説
自社サイトのコンテンツを充実させる
顧客が工務店のサイトにアクセスした際に見るコンテンツは、家づくりを検討し始めた段階と最終的な業者の決定時で異なると考えられます。
検討し始めた初期段階では施工事例などがよく見られますが、成約直前は会社の安定性、家づくりへの想い、担当営業の人物像などがよく見られているそうです。
顧客の信頼を得られるか、契約前の不安を解消できるかが重要になってくるため、保証制度(住宅完成保証制度、地盤保証、瑕疵担保責任)などのアフターサービスについて明記をすることが重要です。
検討フェーズに合わせたコンテンツを掲載し、顧客の不安を解消できるようなサイト構築を目指すといいでしょう。
SNSを運用して視覚的にアプローチする
SNSとは、ネットを通じて世界中の人々とコミュニケーションをとれるサービスのことで、代表的なサービスとしてTwitter、Instagram、Facebook、LINE、TikTokなどがあります。
自社の施工した住宅やデザイン、顧客からの口コミや評価を投稿して拡散することで、集客に繋げることができます。 住宅展示場や完成見学会などのオフラインイベントの情報を投稿して、顧客の目に触れる頻度を増やし、行動喚起に繋げていきましょう。
例として挙げたSNSサービスは基本的には無料で利用できるため、上手く運用していくことで低コストでの集客が可能になります。
SNSの運用について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
▶SNS運用とは?工務店とハウスメーカーにおすすめのSNSや運用のコツ・運用代行会社を紹介
Web広告を活用して集客効果を高める
Web広告には、SNS広告やリスティング広告など、様々な種類があります。 SNS広告とリスティング広告の特徴は以下の図のとおりです。
広告名 | SNS広告 | リスティング広告 |
掲載先 | SNSサービス上のタイムラインやフィード | 検索エンジンの検索結果画面 |
ターゲティング | ユーザーのプロフィール・興味関心 | ユーザーの検索ワード |
掲載形式 | 動画・画像+テキスト | テキスト |
課金方式 | クリック、インプレッション、動画視聴等 | クリック |
メリット | 細かいターゲティングができるダイレクトに顧客へ広告できる | 少額から始められる顕在層に訴求できる |
デメリット | 炎上リスクがある運用に工数がかかる | 費用対効果が低い潜在層には訴求しづらい |
SNS広告は、各メディアの広告枠に動画や画像を使った広告を掲載できるため、ユーザーの印象に残りやすいコンテンツを届けることができます。 また、「どんな人に」「何を見ている時に」「どんな広告を」といった細かなターゲティングができるため、興味関心層へのリーチが可能で、ユーザーとの接点も創出することができます。
リスティング広告は、出稿にかかる工数が少なく、特定のキーワードを検索する顕在層にアピールできるというメリットはあります。一方でそれ以外の層には広告が表示されず、潜在層にはアプローチしづらいため、認知拡大には向いていません。
その他、アフィリエイト広告といった、サイトやブログなどに広告を掲載する、成果報酬型の広告などもあります。 成果に応じて報酬が発生するためコストパフォーマンスが高いのがメリットですが、一定の費用が発生する、なかなか成果に繋がらない可能性があるといった点がデメリットです。
なお、住宅会社の集客に有効なWeb広告の種類や活用方法は以下の記事で詳しく紹介しています。
▶Web広告の種類や運用方法の基礎を学ぼう!住宅会社の集客に効果的な理由も紹介
オフラインでの集客方法
コロナ禍においては、Webによるオンライン施策が重要ですが、地域をターゲットに置く場合はオフラインでの集客も重要となります。
オンラインだけでなくオフラインでも集客活動を行っていくことで、より地域の顧客へ社名を印象づけることができるでしょう。
ここではオフラインでの集客方法について、「認知施策」と「行動喚起施策」の2つに分けて解説します。
認知施策:TV CM・交通広告・総合展示場
まずは顧客に自社を認知してもらうためのオフライン施策について、代表的なものを3つ紹介します。
1.TV CM
TV CMは、世代や性別を問わず様々な人に自社について知ってもらうことが可能です。
映像や音声での宣伝となるため、見た人の印象に残りやすいこと、流す番組の内容によってターゲットを絞れることが特徴です。
一方で単価が非常に高い手法のため、費用対効果については十分な検討が必要でしょう。
2.交通広告
多くの人が利用する電車やバスなどの公共交通機関の車内や駅構内、バス停付近またはタクシーに出稿される広告です。
移動中の人がさりげなく広告を目にすることで、自社について知ってもらえることが特徴です。
路線や道路などのエリアとターゲットの属性を分析して、それぞれのターゲットに合わせて広告を出稿することが重要です。
3.総合展示場
実際に建てられた住宅を顧客に見てもらうことで、自社の強みをアピールできます。
来場者は実際の住宅内を見学し、デザインや間取りを知ることで、住宅への関心度や社名への認知がより高まるでしょう。
行動喚起施策:チラシ・ポスティング
資料請求、お問い合わせ、モデルハウスの見学といった顧客の行動を喚起するオフライン施策としては、家庭へのチラシ・ポスティングが有効です。
配布するチラシは手に取った人にいかに興味を持ってもらえるかがポイントとなります。そのため、チラシの内容は「目を引くデザインであるか」「印象に残る文章であるか」などが重要です。
また、チラシ・ポスティングは新聞折り込みでの配布、指定したエリアへの配布ができるため、狙ったターゲット層からの反応を得られる可能性が高くなります。
一方で、チラシの問い合わせ率は1%未満ともいわれており、費用対効果が得られにくい、配布の際に人員が必要といったデメリットもあります。
工務店の集客に重要なポイント
オンライン・オフライン両方の集客施策を紹介してきましたが、大切なのは「顧客に選ばれる施策を打つ」ということです。
工務店は、ハウスメーカーに対してはコスト、建売住宅に対しては住宅に対するこだわりで優位性を持っているケースが多いです。 そのような工務店ならではの優位性を強くアピールすることで、成約に繋げることができます。
ここでは自社の強みを最大限に活かし、集客を成功させるためのポイントを4つに分けて解説します。
自社の強みを顧客にしっかりと届けられるコンテンツを用意する
自社を選んでもらうためには、顧客に自社の強みや魅力を伝えなければなりません。 しっかりとアピールできるよう、自社に合った戦略で、オンライン・オフライン施策を選択しましょう。
例えば、住宅のデザインを強みとしているのであれば、SNSで写真を投稿して運用し、顧客に見てもらう、 壁の素材を強みとしているのであれば、住宅展示場や相談会の充実を図るなどの戦略が考えられます。
顧客の検討フェーズに合わせて適切なオファーを用意する
顧客の検討フェーズが進むごとに、取るべき施策は異なります。 家づくりの検討初期段階においては社名の認知、最終的な業者決定時では、保証の内容や営業の人柄といった点が重要視される傾向にあります。
施策を検討する際には、以下の図の通り顧客が今どのフェーズにいるかを常に意識しながら、現状の目的と施策が一致するよう最適な提案をしていくことが重要です。
検討フェーズ図の詳細をご覧になりたい方は下記資料をダウンロードください
自社サイトのコンテンツ充実度は意思決定に関わる重要なポイント
顧客が最終的な意思決定をする際の重要なポイントとして、いかに減点部分を減らすか、という点があります。
住宅購入は人生において非常な大きな買い物になるため、最終的な意思決定時、顧客は工務店との信頼関係を重要視します。
その際、「サイトの情報が不十分であった」という理由で顧客の信頼性が損なわれ、見送りになってしまうことがあります。 そういった住宅以外の要素で減点されないよう、自社サイトのコンテンツはできる限り充実させておくといいでしょう。
特に、先に述べたように「保証制度」についてはできる限り詳細にコンテンツを充実させ、最後まで十分な説明をすることを推奨します。
自社サイトや電話での問い合わせは顧客に寄り添った丁寧な対応を心がける
自社サイトからのメールや電話でのお問い合わせの対応に不備があった場合、顧客からの評価が下がります。
また、Googleマイビジネスの口コミやSNSへの書き込みにより見込み顧客が離れるケースもあるため、顧客に対して常に丁寧な対応を取ることが大切です。
具体的な対応品質向上の施策としては、アンケートを活用した改善や顧客対応のマニュアル化などがあります。
ハウスメーカー・工務店のWeb集客施策はGlueeへご相談ください
コロナ禍によって、Web集客施策の重要性が高まっています。 一方で、顧客は情報の取捨選択に悩みを抱えているため、顧客のニーズに応じた最適なコンテンツを提供していく必要があります。
ただやみくもにWeb施策を打つのではなく、顧客動向や検討フェーズにもとづいた戦略的なマーケティングが重要です。
Gluee株式会社は住宅業界専門でマーケティング支援を実施しています
私たちGluee株式会社は、年間棟数約400棟の設計事務所フリーダムアーキテクツデザインのマーケティング部から独立した、住宅業界専門のマーケティング会社です。
ハウスメーカーや工務店の集客に関して、Webマーケティングの分野で多くの企業との取り組み実績があります。
Web集客に関して自社内での実施が難しい場合や、運用してみてお困りの内容がある場合は一度ご相談いただければ、貴社の状況に合わせた解決策を丁寧に提案させていただきます。
Glueeの住宅会社のWeb集客成功事例
Gluee株式会社では、特に自社サイト経由での来場予約や資料請求を増やす取り組み支援を行なっています。
株式会社ビルドアート様では一括資料請求の数は多い一方で、来場に繋がらないことからポータルサイトの集客に大きな課題を感じていました。そこでまずは資料請求フォームとホームページの導線改善を実施し、サイトにアクセスした人の離脱率の改善に注力しました。
その後は集客効率の向上を狙って段階的にFacebook広告運用も実施したところ、すぐに効果が現れました。問合せ総数が前年比700%に増加し、自社サイト経由の資料獲得単価はポータルサイト集客と比較して約1/4まで下げることに成功しています。
株式会社ビルドアートの成功事例はこちら
▶脱ポータルを実現!自社サイト集客で「資料請求単価1/4!」神奈川県地場の工務店様のWEB集客成功事例
顧客のニーズに合わせて自社の強みをアピールしよう
顧客に選ばれる工務店になるためには、必要とするターゲットに自社の強みを的確に伝えることが重要です。
今行っている施策が顧客のニーズと一致しているか常にチェックしつつ、顧客の声や世の中の動向、各種調査の結果などをもとに仮説を立て、施策を検討していきましょう。
また、オンライン施策とオフライン施策の掛け合わせによって、相乗効果を生むことがあります。これまでチャレンジしていなかった施策があれば、ぜひ新しい集客方法としてご検討ください。